年収についてどう考えればいいでしょうか?
よく人材紹介会社の広告で「転職で年収アップ」という文字を目にします。100万アップという広告も中にはあります。また年収査定サービスというその人の経験や企業規模をもとに打ち出すものもあり、このようなサービスを受けて査定結果が現年収よりも多いと今貰っている給与は少ない!と思ってしまいます。
このような広告やサービスは非常にそそられます。転職したくなってしまいます。 転職する以上は年収を上げたい!と考えてしまうのは本音だと思います。(当然ですが…) 年収アップの話題に入る前に「企業が年収というものをどう考えているか」ということについて見てていきたいと思います。
(1)現在の年収はどれくらいか。(スキル、経験は実力相応か)
(2)希望年収はどれくらいか。
(3)転職先からどのくらいの年収提示を受けることができるか。
(1)〜(3)の項目で年収について考えていきましょう。
(1)現在の年収
現在年収は、現職の企業がその人の労働の価値を評価して支払っている給与です。しかしその金額は企業により大きく異なります。評価制度、会社の福利厚生、会社の利益、会社のビジネスモデル、会社の社会的地位などさまざまな要因によって異なります。
例えば…
・年功序列の会社と実力主義の会社では20代、40代など年代における年収水準が異なります。
・会社の位置(ピラミッド構造の位置)
親会社と子会社。ほとんどが親会社の方が大抵給与水準が高いですし、大手企業と下請け会社の関係も当てはまります。IT業界なら、上流の会社ほど給与が高くなります。
また雇用体系の影響もあります。例えば正社員と非正社員(契約社員など)でも年収の水準は異なるでしょう。(詳しくは正社員と非正社員の賃金格差をご覧ください)
・手当…残業代の出る会社、住宅手当の至急される会社であれば、基本給は低くてもトータルの所得は高くなります。
このようにその人の実際のスキル云々ではなく、会社によって給与水準が大きく異なってきます。転職希望者の方に会っているとスキル・仕事内容と待遇の不一致に関する話を多くのケースで聞きます。
例えば…
「夜遅くまで働いても、年俸制だから残業代がつかないんです。」
「制度としてはあるのに残業代をつけることができないんです。」
「下請け会社(子会社)に所属しているからという理由で上流の会社(親会社)の社員よりも給与が低いんです。でも私がいなかったらそのプロジェクトは回らないし、スキル的には全く劣っていないんです。」
「中小企業か大企業かの違いで同じくらいスキルの友人や同業界の会社員より給与水準が低いんです。」
下請けの会社や小規模の会社で技術力や業務知識を磨いている人たちの不平不満の声は圧倒的に多いです。上記のようなケースですと現職の企業に留まっていていても変わりません。評価制度を変えることは難しいですし、会社のビジネスモデルや利益構造が異なるため会社側は社員の給与を高くしたくても高くはできません。その場合会社に文句をいったり待っていても改善される可能性は低いです。転職するしかないのです。
サッカーを例に挙げましょう。
セリエAの中位以降にいることが多いチーム、中田英寿が始めに所属していたペルージャ(ペルージャは現在セリエBですが…)とACミランの差です。ACミランとペルージャでは持っている資金力・収益が違います。
その資金力を生む差は・・・
・ファンの数(観客動員数)
※世界的なスターの多いACミランはイタリア中、世界中にファンいますが、ペルージャは地元だけです。スタジアムにくる観客動員に差が出ます。
・参加している試合
※世界が注目するチャンピオンズリーグに出場。世界的な試合に参加しています。
・放映権
※チャンピオンズリーグへの出場、世界的な知名度がありACミランなら国内だけでなく世界中から放映権収入が入ってきます。
・グッズ販売
※世界中でグッズの収入があります。
上記のような理由でペルージャとACミランでは同じ人数で1試合ゲームをしても「1試合あたりの収入」に差が出るのです。当然チーム収入による差はプレーヤーの給与の差として出てくるのです。ですからイタリアでは中堅チームで腕を上げた選手はみなビックチームにいきます。中田もローマに移籍しましたね。
会社も同様なのです。規模の大きな会社は販売網が充実していたり、利益構造がしっかりできています。販売ネットワークやそのためのインフラが整っているので商品を一つ出した時の売上が大きいですし、商品コストも低く抑えることができます。
悪く言ってしまえば下請けや子会社に当たる部品会社、販売会社、技術提供などの会社への支払い額を落としてでも利益を高い水準でキープすることもできますし、実際おこなわれています。
マスコミの例
マスコミはフジテレビで番組制作をすれば年収は高いですが、子会社や下請けにあたる番組製作会社で番組制作をすると驚くほど年収が低くなります。それは個人のクリエーションの力による差ではないです。フジテレビは「全国に番組を発信する十分なインフラを持っている」というのが理由でしょうか。
IT業界の例
IT業界において上流の方が年収が高いのは、サービスを提供するクライアント(売上の根源)になる部分と接し、開発の企画をおこなっているからです。その企画によりクラインからお金を貰う。上流の企業が請け負えない業務やアウトソースできる業務を下請け会社や子会社に十分利益をとれる金額を確保した上で、落としていきます。高度なスキルを上流が持っていることも要因としてあるかもしれませんが、開発全体の指導権を握っているのも要因としてあるはずです。
大企業、親会社や上流の会社は一人当たりの社員が動かしているお金や指導権が大きく、残念ながらそのような会社の事情と個人のスキルは一致していないことの方が多いのです。
高いスキルを持ち、子会社や下請けだからという理由だけで年収が低いのであれば、より上流の会社、指導権を握る会社に転職するしか解決策はないのです。
ご自身の一時代前であれば、始めに入ってしまった会社からなかなか動けない環境でしたが現在は転職してより良い環境に行くことができます!スキルを見極め、より良い環境に転職しましょう!
